更新日:2026年10月27日
プロフィール
飯野まきさん(市ゆかりの作家)

絵本が好き。その気持ちを一冊に
「絵本の全部が、愛おしいんです」。とチャーミングな笑顔で語るのは絵本作家の飯野まきさん。
飯野さんにとって、絵本はページの隅々まで愛おしいもの。風に舞う葉っぱ一枚にもどこに描けば物語の世界になじむのか、どんな描き方がふさわしいのか、使う画材まで、一つひとつ考えを巡らせる。 細部にまで心を配り、自分が思い描く世界を丁寧に作り上げていく。その工程すべてに、絵本への愛情と読むこどもたちへの思いが込められている。
絵本への思いが芽生え始めたのは高校生の頃。本屋の絵本コーナーに通い、自分でも画用紙を折って絵を描き、本の形にして楽しんでいた。
その後、大学で日本画を専攻し、卒業後も絵本を作りたいという思いを持ち続け、作品を作り続けてきた。すぐに仕事につながらなくても、描くことは決して諦めなかった。時間をかけてゆっくり育んだ絵本への情熱が、今の飯野さんの創作を支えている。
飯野さんが大切にしているのは、自分の好きなものを好きという気持ちのままに表現すること。
しかし、自分が理想とする絵をいつも思いどおりに描けるわけではない。納得できなければ、何度も描き直す。それでも、目の前のものが持つ魅力を自分なりに表現したい。納得できる表現ができるまで手を動かし、考え続ける。絵本の細部にまでこだわるのも、伝えたい世界を妥協せずに形にしたいからだ。
こどもを対象にした絵のワークショップなども精力的に行う。こどもたちと絵を描いたり、ものを作ったりする時間も、飯野さんにとってかけがえのないものだという。教えるというより、こどもと同じ目線に立ち、みんなが「楽しい」と感じられる場をつくってきた。
上手に描くことを求めず、一人ひとりの表現を大切にする。「結果じゃなくて過程。やっている時間が楽しかったら、できたものがどんなものであってもいいと思うんです」と優しくはにかみながら語る。大人には不思議に見える絵にも、その子だけが感じた世界がある。そこに目を向け、受け止めたいという。
絵本を作るときは、読み聞かせる場面を思い浮かべ、言葉を声に出しながら、ページをめくる間合いまで何度も確かめる。こどもが笑ったり、絵の小さな仕掛けに気づいたりする姿を想像し、世界を作り上げる。
いつもの部屋に居ても、絵本を開けば魔法使いにもなれるし、宇宙を旅をすることもできる。日常にある非日常の世界。そんな特別な時間も届けたいと考えている。
環境や年齢とともに変わっていく自分の感覚を大切にし、その時々の思いを新鮮なうちに作品にしたいという。絵本が好きという変わらない気持ちを原動力に、これからも優しく愛に満ちた絵本の世界を作っていく。 (取材:深町)
所沢の好きなスポットを紹介!とこスキ!
所沢図書館 吾妻分館

久米の自然を楽しみながら、吾妻分館まで散歩するのが、息抜きの定番。同館にはゆかりの作家として飯野さんの絵本がまとめられたコーナーもあります。
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